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更新日:2026年10月7日

コラム
Column

2026.10.07

オンデマンド無痛分娩とは?計画無痛分娩との違いや流れ、施設選びのポイントを解説

オンデマンド無痛分娩とは、自然に陣痛が始まるのを待ち、分娩が進行してから硬膜外麻酔で痛みを和らげる出産方法です。出産日を事前に決める計画無痛分娩とは異なり、ご自身と赤ちゃんにとってより自然なタイミングで痛みの軽減も両立できる点が特徴です。ただし、24時間対応できる施設が限られるなど、知っておきたい条件もあります。

この記事では、オンデマンド無痛分娩の仕組みや計画無痛分娩との違い、注意点、施設選びのポイントを整理します。

【この記事で分かること】

  • オンデマンド無痛分娩の仕組みと、計画無痛分娩との具体的な違い
  • オンデマンド無痛分娩を選ぶ場合に知っておきたい注意点
  • 安心して受けるための施設選びで確認したいポイント

オンデマンド無痛分娩は自然陣痛を待ってから麻酔を始める方式

海外では自然陣痛を待ってから麻酔を始めるオンデマンド方式が広く行われていますが、日本では24時間対応できる施設が限られるため、入院日を決めて陣痛を起こす「計画無痛分娩」で行う施設が多いのが現状です。まずは、オンデマンド無痛分娩で使われる硬膜外麻酔の仕組みと、実際の流れを確認していきましょう。

なお、日本産婦人科医会の報告によると、無痛分娩を選ぶ方は年々増えており、全分娩に占める割合は2018年の約5.2%から2025年には約16.2%まで上昇しています。

参照元:硬膜外鎮痛分娩の現状 〜日本産婦人科医会施設情報からの解析〜(2025年11月)【PDF】

硬膜外麻酔の基本的な仕組み

オンデマンド無痛分娩で用いられるのは、「硬膜外鎮痛法」と呼ばれる方法です。背骨の硬膜外腔という空間に細いカテーテル(管)を留置し、そこから麻酔薬を注入して下半身の痛みを和らげます。
全身麻酔とは異なり、意識ははっきりしたままです。お産の感覚(圧迫感や張り)はある程度残るため、医師や助産師の指示に合わせて自分でいきんで出産に臨めます。

陣痛発来から麻酔開始までの一般的な流れ

オンデマンド無痛分娩の一般的な流れは、以下のようになります。

  • 自宅で陣痛を感じたら、施設に電話連絡して来院する
  • 来院後、子宮口の開き具合や分娩の進行状況を確認する
  • 分娩が進行していると判断されたら、硬膜外カテーテルを挿入する
  • カテーテルから麻酔薬を投与し、効果が出るのを確認する
  • 麻酔開始後も分娩の段階や、痛みの部位・程度に合わせて薬剤の量を調整しながら、分娩を進める

麻酔の準備から痛みが和らぐまでには一定の時間がかかるため、陣痛が始まってからすぐに痛みがゼロになるわけではありません。具体的な所要時間は施設や状況によって異なりますので、事前に分娩予定の施設で確認しておくと安心です。

オンデマンド無痛分娩と計画無痛分娩は何が違う?

オンデマンド無痛分娩と計画無痛分娩は、どちらも硬膜外麻酔を使って痛みを和らげる点は同じですが、「分娩の始め方」が異なります。

オンデマンド無痛分娩計画無痛分娩
陣痛の始まり方自然陣痛を待つ誘発剤・バルーン等で人工的に起こす
出産日陣痛発来した当日か翌日あらかじめ日程を決める
麻酔開始のタイミング陣痛が進行してから分娩誘発と並行して準備できる
施設に求められる体制24時間対応が必要日中の人員体制で実施可能

計画無痛分娩の特徴

計画無痛分娩は、入院日を事前に決め、子宮口を広げる処置や分娩誘発剤を用いて人工的に分娩を始める方式です。出産日の見通しが立ちやすく、分娩誘発と並行して麻酔の準備を進められるため、痛みを感じる時間を短く抑えやすい利点があります。

一方で、分娩誘発剤の効き方には個人差があり、子宮口の熟化が十分でない段階で分娩誘発を開始すると、分娩に時間がかかることもあります。日本産科麻酔学会では、子宮口の熟化がちょうどよいとされる妊娠39週ごろを目安としつつも、実際には妊婦健診での子宮口の状態を見て担当医と相談しながら予定を組むことが大切だと説明しています。

参照元:日本産科麻酔学会 Q8「無痛分娩を希望するなら計画分娩になります」と言われました

オンデマンド無痛分娩が向いている方

オンデマンド無痛分娩は、以下のような希望をお持ちの方に向いている方式と言えます。

  • 自然に陣痛が始まるのを待ちたい方
  • 分娩誘発剤による人工的な陣痛開始に抵抗がある方
  • 自然分娩を考えていたが、痛みが強くなった場合に途中から無痛分娩に切り替えたい方

ただし、どちらの方式が優れているということではなく、それぞれにメリットと制限があります。ご自身の希望や体の状態を踏まえて、担当医と相談しながら選ぶことが大切です。

オンデマンド無痛分娩を選ぶ前に知っておきたい注意点

オンデマンド無痛分娩には、計画無痛分娩にはない固有の制限事項があります。メリットだけではなく、事前に把握しておきたいポイントを整理します。

麻酔が間に合わない場合がある

オンデマンド無痛分娩では、自然陣痛が始まってから来院し、麻酔の準備に入ります。そのため、分娩の進行が非常に速い場合には、麻酔の開始が間に合わないことがあります。
特に経産婦の方は、初産婦に比べて陣痛から出産までの時間が短い傾向にあるため、この可能性が高くなりやすいとされています。オンデマンド方式を希望する場合は、事前に担当医と「分娩が速く進んだ場合の対応方針」を話し合っておくと安心です。

24時間対応できる施設が限られる

オンデマンド方式は「いつ陣痛が来るか分からない」ことが前提となるため、夜間や休日を含めた24時間体制で麻酔に対応できる環境が求められます。

しかし、日本では医師の人員配置の問題から、無痛分娩の対応を日中のみとしている施設や、経産婦に限定している施設も少なくありません。日本産科麻酔学会でも、この点を無痛分娩が計画方式で行われることが多い背景として挙げています。オンデマンド方式を希望する場合は、検討している施設が実際にどの時間帯まで対応可能かを事前に確認しておくことが大切です。

参照元:日本産科麻酔学会 Q8「無痛分娩を希望するなら計画分娩になります」と言われました

オンデマンド無痛分娩を安心して受けるために|施設選びで確認したい3つのポイント

施設によってオンデマンド無痛分娩の対応体制は大きく異なります。以下の3つのポイントを事前に確認しておくと、ご自身に合った施設を選びやすくなります。

24時間対応か、日中限定か

陣痛はいつ始まるか分かりません。夜間や休日に陣痛が始まった場合にも無痛分娩に対応してもらえるかどうかは、オンデマンド方式を希望する方にとって重要な確認事項です。
「24時間対応」と掲げている施設でも、具体的な条件(当直体制の内容、複数の分娩が重なった場合の対応など)は施設ごとに異なります。事前の説明会や妊婦健診の際に、具体的にどのような体制で対応しているかを確認しておくと安心です。

麻酔を担当する医師の体制

無痛分娩の麻酔は、施設によって対応する医師の体制が異なります。産科医が兼任で麻酔を行う施設もあれば、麻酔科医が常勤で対応する施設もあります。

産科医は分娩の管理を専門とする医師であり、分娩の進行に合わせて麻酔の管理を行うため、異常分娩に対してより迅速に対応しやすくなります。麻酔科医は麻酔の管理を専門とする医師であり、麻酔開始のタイミング判断や効き具合の調整、万が一の合併症への対応に精通しています。施設を選ぶ際は、誰が麻酔を担当するのか、産科医と麻酔科医の連携が整っているかなども確認しておきたいポイントです。

無痛分娩の実績件数

施設の無痛分娩の実績件数は、医師やスタッフがどの程度の経験を積んでいるかの目安になります。
無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)の「JALAサイト」や、厚生労働省の「出産なび」では、各施設の無痛分娩の対応体制や実績を確認できます。施設選びの参考にしてみてください。

24時間365日のオンデマンド無痛分娩に対応|ENAレディースクリニックの体制

ここまで整理してきた「24時間対応」「麻酔科医の常勤」「実績件数」という施設選びのポイントを踏まえ、当院の無痛分娩体制をご紹介します。

常勤の麻酔科医と産科医が24時間365日対応

当院では、常勤の麻酔科医と産科医が24時間365日体制で無痛分娩に対応しています。計画無痛分娩とオンデマンド無痛分娩の両方をお選びいただけるため、ご自身の希望や分娩の進行状況に合わせた柔軟な対応が可能です。
「自然陣痛を待ちたいけれど、痛みが不安」という方には、オンデマンド無痛分娩をご提案しています。陣痛が始まった後、ご来院いただいてから分娩の進行を確認し、適切なタイミングで麻酔を開始します。

無痛分娩の実績

当院の無痛経腟分娩件数は年々増加しています。

  • 2024年:181件(全分娩483件中、約37%)
  • 2025年:368件(全分娩676件中、約54%)
  • 2026年1〜7月:356件(全分娩514件中、約69%)

全分娩実績の詳細は、当院の無痛分娩ページで公開しています。

無痛分娩説明会を毎週開催

当院では毎週水曜日に無痛分娩説明会を開催しています。オンデマンド無痛分娩と計画無痛分娩それぞれの流れや、当院の対応体制について直接ご確認いただける場です。同伴者の方(大人1名+お子さま1名まで)もご参加いただけます。
無痛分娩をご検討中の方は、まず説明会にご参加ください。方式の詳細や当院の体制について、直接ご質問いただけます。

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