無痛分娩・和痛分娩
Painless

陣痛・分娩の痛みをおさえる方法

無痛分娩(硬膜外麻酔)

当院では、硬膜外麻酔による無痛分娩をおこなっています。
背骨(脊椎)の間から硬膜外腔に留置した管に麻酔薬を流すことで痛みを抑えます。

ご自身の意識ははっきりした状態で、ご自身でいきんで出産することができます。
当院では、安全性を最優先に、計画分娩としています。

和痛分娩(静脈麻酔)

当院では、静脈麻酔による和痛分娩をおこなっています。
麻酔薬を持続的に血管内に流すことで痛みを和らげます。痛みにあわせてお薬の量をご自身で調節できるボタンがついた器械を用います。

少し眠たくなる作用もありますが、ご自身でいきんで出産するができます。

自然陣痛を待機し、陣痛開始後にご自身の痛みにあわせて鎮痛を開始します。(計画分娩でも可能です。)

麻酔開始までの流れ

無痛分娩(硬膜外麻酔)

当院では、通常は妊娠39週より計画分娩とします。
計画分娩の予定日より早くに陣痛が来た場合には、状況に応じて硬膜外麻酔を開始します。(夜間は翌朝より開始することがあります。)
自宅・外出先で陣痛が来たときは当院06-6921-3313にご連絡ください。

当日は絶食で、少量飲水のみとなります。
硬膜外麻酔の管を背中から留置した後、陣痛を起こす点滴を開始します。陣痛が始まり、分娩が進んで子宮口が3~5cmまで開いてきたところで、背中から留置した管に麻酔薬を流し始めます。

和痛分娩(静脈麻酔)

自宅・外出先で陣痛が来たときは当院06-6921-3313にご連絡ください。

当日は絶食で、少量飲水のみとなります。
陣痛が始まり、分娩が進んで子宮口が3~5cmまで開いてきたところで、腕に留置した管に麻酔薬を流し始めます。

麻酔の流れ

無痛分娩(硬膜外麻酔)

    ペットに横向きに寝て。背中を丸めます。自分の顎を胸に、膝をつけるようにして、お腹を引っ込めるイメージです。

    ©日本産科麻酔学会

    硬膜外沈痛の管、説明① 硬膜外沈痛の管、説明②
  1. 図1のように体位をとっていただきます。
    ペットに横向きに寝て。背中を丸めます。自分の顎を胸に、膝をつけるようにして、お腹を引っ込めるイメージです。

    ©日本産科麻酔学会

  2. 背中を消毒して、清潔なシートをかぶせます。
  3. 針を刺す位置を決めます。何度か背中を触り、手で背中を押されます。
  4. 局所麻酔をおこないます。(少し痛みを感じます。)
  5. 針を刺して、図2のように硬膜外麻酔の管を挿入します。(違和感はありますが、痛みはほとんどありません。)
    硬膜外沈痛の管、説明① 硬膜外沈痛の管、説明②

    ©日本産科麻酔学会

  6. テープで固定します。

和痛分娩(静脈麻酔)

  1. ベッドに仰向けになっていただきます。
  2. 腕に点滴の管を入れて、固定します。(通常の分娩と同様となります。)

麻酔開始後の流れ

共通(硬膜外麻酔・静脈麻酔)

  • ベッド上安静になります。
    麻酔薬を流し始めると、陣痛の痛みは和らいできます。
    足の力も弱まりますので、転倒を防止するためにベッド上安静になります。トイレにも歩いていけなくなりますので、ベッド上で管を通して出すことになります。(静脈麻酔での和痛分娩では、助産師が付き添ってトイレや歩行ができる場合もあります。)
  • お食事はできなくなります。
    胃腸の動きが弱くなり、吐き気がする、嘔吐するなどの症状が出ることがあります。
    また、緊急手術が必要になった場合に備えて、お食事はできなくなります。
  • 飲水は少量のみとなります。
    水、お茶、清涼飲料水は少しだけ飲むことができます。
    のどが渇いた際には医師・助産師にお伝えください。
  • 適宜麻酔レベルが適切であるか診察します。
  • その他は、通常の経腟分娩と同じように過ごしていただきます。
  • 気になることがあればお尋ねください。

麻酔がお産に与える影響

無痛分娩(硬膜外麻酔)

  • 報告によると、一般的に問題となる赤ちゃんへの影響は認めないとされています。
    授乳への影響もほとんどないと考えられています。
  • 子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが出るまでの時間が長くなることがあります。
  • 吸引分娩や鉗子分娩となる率がやや高くなります。
    子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが出るまでが著しく長い場合、ご自身の状態が良くない場合、赤ちゃんが産道を降りてくるときの進み方に問題がある場合など、必要なときは吸引分娩を実施します。
  • 施設によって、帝王切開となる率がやや高くなります。
  • 分娩時の出血量が多くなる傾向があります。

和痛分娩(静脈麻酔)

  • 赤ちゃんに呼吸障害が出る可能性があります。
    母乳への薬の移行はごく少量で、出生後の赤ちゃんへの影響はわずかであると考えられています。
    当院では、わずかでも影響が考えられる出生後しばらくの間は、より慎重に、赤ちゃんを観察いたします。
  • 吸引分娩や帝王切開となる率が高くなるという科学的な結論には至っていません。

無痛分娩・和痛分娩のメリット

無痛分娩(硬膜外麻酔)

  • 痛みが抑えられることで、心身ともに落ち着いて、出産にのぞめます。
  • 痛みに弱い方でも経腟分娩が可能になります。
  • 疲労が少なくなり、産後の回復が早くなるとの報告があります。
  • 当院では、計画分娩としており、おおよその出産時期を選ぶことができます。

和痛分娩(静脈麻酔)

  • 個人差がありますが、痛みは麻酔を開始する前と比べて開始後は約3割軽減され、実際に和痛分娩(静脈麻酔)を経験された約8割の方がその出産に満足されたとの報告があります。
  • 当院では、陣痛発来を待機し、ご自身の希望と分娩の進行にあわせて24時間対応でおこなうことができます。

無痛分娩・和痛分娩の副作用

不具合が生じないように細心の注意をはらって麻酔をおこないます。
しかし、痛み止めの効果が得られるとともによく起こる副作用や、まれに起こる不具合があります。

無痛分娩(硬膜外麻酔)

  • 個人差がありますが、足の感覚が鈍くなり、足の力が入りにくくなることがあります。
  • 血圧が下がることがあります。
    血圧は注意深く監視し、必要時には速やかに治療します。
  • 尿が出にくい、尿をしたい感じが弱いときがあります。
  • かゆみがでることがありますが、ほとんどの場合は治療を要しません。
  • 体温が上がることがあります。
    感染が原因ではないと考えられています。
    感染を疑う場合には血液検査などをすることがあります。
  • 硬膜穿刺後頭痛
    脳脊髄液が漏れることにより生じると言われています。
    症状が強い場合には、すぐにお伝えください。
  • 局所麻酔薬中毒
    血管内に麻酔薬が入ってしまう場合や、局所麻酔薬の量が多すぎる場合には、耳鳴りや舌のしびれ、けいれん、不整脈(重症のときには心臓が止まることもあります。)などがあります。
  • お尻や太ももに電気が走るような感じがすることがあります。
  • 脊髄くも膜下腔に麻酔薬が入ってしまうことがあります。(高位・全脊髄くも膜下麻酔)
    血圧が急激に下がったり、重症では呼吸ができなくなったり、意識を失ったりすることがあります。
  • 非常にまれに、穿刺部に膿瘍ができることがあります。
    永久的な神経の障害が残ることがあるため、できる限り早期に治療が必要となります。

和痛分娩(静脈麻酔)

  • 呼吸抑制
    ほとんどの場合、深呼吸で改善します。
    必要時には酸素投与をおこないます。
  • 筋肉がこわばる、血圧が下がる、脈が遅くなるなど
    アレルギーや、使用量が著しく多くなる(通常は使用しない量)と起こることがあります。
  • これらの合併症が起きないように十分に注意しますが、発生した場合には適切な処置をおこないます。

無痛分娩・和痛分娩ができない方

共通(硬膜外麻酔・静脈麻酔)

  • 説明会を受けられていない方
  • 同意書に署名されていない方
  • 使用する薬剤のアレルギーのある方
  • 医師が無痛分娩・和痛分娩に適さないと判断した方
  • 分娩の進行が早く硬膜外麻酔を開始する前に児の娩出に至ると予測される方
  • 同日に多数の出産が重なってしまった場合や、他の方の緊急手術などの緊急時など、スタッフの人数が不足している状況では無痛分娩・和痛分娩を実施できないことがあります。

無痛分娩(硬膜外麻酔)

  • 血液が固まりにくい方
  • 背中から背骨(脊椎)の間を確認できない方
  • カテーテルを入れる部位の脊椎に手術をしたことのある方
  • カテーテルを入れる部位に感染がある方
  • 背骨の変形が強い方

和痛分娩(静脈麻酔)

  • 血管が細いなど、血管確保が困難な方

無痛分娩・和痛分娩の費用

無痛分娩(硬膜外麻酔)

通常の分娩費用に加えて、約12万円(自費)がかかります。
また、無痛計画分娩に使用する物品・薬剤の費用(約1万円)が別途かかります。

和痛分娩(静脈麻酔)

通常の分娩費用に加えて、約5万円(自費)がかかります。

共通(硬膜外麻酔・静脈麻酔)

出産に至るまでの入院に関わる費用(1日あたりの部屋代・食事代等)が別途かかります。
詳しくは分娩費用についてをご覧ください。

  • 質問や気になることがございました際には、説明会や外来受診時にお気軽にお問い合わせください。

リンク:一般社団法人 日本産科麻酔学会 無痛分娩 Q&A