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更新日:2026年6月12日

コラム
Column

2026.06.12

初産は無痛分娩できない?噂の理由とリスク、病院選びで確認したいポイント

「初めてのお産で無痛分娩を選びたいけれど……。初産だと断られるって本当?」「自分や赤ちゃんにリスクはないのかな?」期待と不安が入り混じるなか、ネットやSNSで見かける噂に心を痛めてはいませんか。

ネガティブな情報に流されて、無痛分娩という選択肢を諦める必要はありません。初産婦であっても無痛分娩を選択することは十分に可能です。一部の病院で受け入れが限定されているケースがあるのは事実ですが、それは身体の問題ではなく、病院側の体制や、初産ならではのお産の特性に合わせた「安全への配慮」が主な理由です。

本記事では、初産の無痛分娩に関する疑問を一つずつ解き明かし、客観的なデータに基づきながら、ご自身と赤ちゃん、ご家族にとって心地よいお産を迎えるためのヒントを解説します。

【この記事で分かること】

  • 「初産は無痛分娩できない」と言われる背景にある、病院側の体制上の2つの理由
  • 出血量・陣痛促進剤・器械分娩・麻酔の副作用など、初産の無痛分娩で事前に知っておきたいリスクとその対処法
  • 初産で安心して無痛分娩に臨むために、病院選びで確認すべき2つの基準

初産でも無痛分娩は可能。受入れが限定される2つの理由

初産の無痛分娩が断られる背景には、妊婦の身体的な問題ではなく、医療現場の体制やお産そのものの特性が大きく関係しています。

理由①:初産特有のお産の長さと病床管理の都合

初産婦と経産婦では、お産の進むスピードに違いがあり、初めてのお産は身体がゆっくりと準備を整えていくため、比較的時間がかかる傾向があります。個人差はありますが、陣痛開始から出産まで、経産婦が約5〜8時間なのに対し、初産婦は約12〜16時間かかるとされています。

そのため、日中だけではお産が終わらないことが多くなります。大きな病院では産科だけでなく、婦人科など他の病床管理も行わなければなりません。お産が長引き、長時間スタッフの人手が必要となる初産婦の対応は、病院の運営管理上の兼ね合いから敬遠されやすいという実情があります。

理由②:痛みのコントロールの難しさと麻酔管理の体制

無痛分娩を安全に行うためには、麻酔の知識と技術を持った医師が、お産の進行中ずっと寄り添い、細やかに管理し続ける必要があります。また、医学的な特徴として、初産婦は経産婦に比べて「痛みのコントロール」が難しい傾向にあります。

陣痛は、深夜や早朝、休日に始まることもごく自然なことです。長丁場になりやすく、細やかな痛みのコントロールが求められる初産婦のお産において、すべての施設で24時間、専門の医師を配置し続ける体制を整えるのは、人員の面で高いハードルがあるのが現状です。この運営や体制上の制約が、いつの間にか「初産は(無痛分娩が)できない」という噂に繋がってしまったと考えられます。

初産の無痛分娩に向けて。事前に知っておきたいポイント

無痛分娩には痛みを和らげるという大きなメリットがありますが、医療行為として知っておくべきこともあります。これらを正しく知ることは、決して不安を煽るためではなく、心から納得してお産に臨むための大切なステップです。

出血量が若干増える傾向がある(致命的なリスクではありません)

医学的な事実として、初産婦が無痛分娩をした場合、自然分娩に比べて出血量が若干増える傾向があります。しかし、これは専門の医療スタッフが適切に管理・対応できる範囲のものであり、決して致命的なリスク増大を意味するわけではありません。「初産婦の無痛分娩は危険だ」と過度に心配する必要はありませんので、ご安心ください。

陣痛が弱まりやすく、陣痛促進剤を使用する可能性が高まる

無痛分娩で用いる麻酔は痛みを和らげてくれますが、同時に子宮の収縮(陣痛)を少し穏やかにしてしまうことがあります。
もしお産の進みがゆっくりになった場合は、ご自身と赤ちゃんのペースに合わせつつ、お産をスムーズに進めるために陣痛促進剤を併用することがあります。その際は、お腹の赤ちゃんの心拍を厳重に確認しながら、慎重に進めていきます。

吸引分娩や鉗子(かんし)分娩の確率が上がる傾向にある

麻酔が効いてくると、下半身の感覚がリラックスするため、赤ちゃんを押し出す「いきみ」のタイミングが少し分かりにくくなることがあります。
また、麻酔を使わない分娩でもおこりますが、赤ちゃんの出てくる向きが理想的でない「回旋異常」や分娩時間が長くなる「遷延分娩」にもあることもあります。

お産の最後の段階で、赤ちゃんが出てくるのを助ける必要がある場合、医師が専用の器具を使う「吸引分娩」や「鉗子(かんし)分娩」が行われる確率が、自然分娩よりも高くなる傾向があります。これらは赤ちゃんを安全に外の世界へ迎え出すための大切なサポートです。

参照:一般社団法人 日本産科麻酔学会 無痛分娩Q&A

麻酔による一時的な副作用について

硬膜外麻酔によって生じる副作用は一時的なものが多いですが、事前に知っておくことで冷静に対処できます。

  • 母体の血圧低下:麻酔薬の影響で血管が広がり、血圧が下がることがあります。血圧を上げる薬の投与や点滴で速やかに対応します。
  • 足のしびれ:麻酔が効いている間は足がしびれたり動かしにくくなったりしますが、麻酔が切れるとともに元に戻ります。
  • 体温の上昇:代謝が亢進することや汗をかきにくくなること、痛みが取れているため熱が体の外に放出されないことなどが原因で体温が上昇することがあります。
  • かゆみ:麻酔薬の成分の影響で、体にかゆみを感じることがあります。
  • 尿意の変化:尿意を感じにくくなるため、定期的に管を使って尿を出す処置(導尿)を行うことがあります。

これらの症状が出た場合でも、医療スタッフが経過を観察し、適切に処置を行う体制が整えられています。

あわせて読みたい:無痛分娩のメリット・デメリットと後悔しない施設選び

初産の無痛分娩には特有のリスクがありますが、陣痛の負担を和らげ産後の体力を温存できるといったメリットもあります。無痛分娩の全体的なメリット・デメリットから費用対効果まで詳しく解説したこちらの記事もぜひ参考にしてください。

無痛分娩のメリット・デメリットと後悔しない施設選び

初産で無痛分娩を検討する際、病院選びで大切にしたい2つの基準

初産の無痛分娩は、体制の整った病院で実施することが大切です。病院選びの際は、以下の2つの基準を確認してみてください。

基準①:24時間麻酔対応が可能か

いつ陣痛が始まるか予測ができない初産婦にとって、曜日や時間帯を問わず無痛分娩に対応しているかは重要なチェックポイントです。
計画無痛分娩を予定していても、その日を迎える前に自然に陣痛が来たり破水したりするケースは十分にあり得ます。予定外の事態であっても、24時間体制で麻酔対応が可能な病院であれば、慌てずに無痛分娩に臨むことができます。

基準②:リスクに対する事前説明があるか

無痛分娩のメリットだけでなく、起こり得るリスクや万が一の急変時の対応マニュアルが整っているかを、事前に丁寧に説明してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
また、JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)のサイトでは、各施設における安全管理体制の状況などを検索することができます。

※掲載施設=安全性を保証するものではないのでご注意ください。

参照:JALA 施設検索

大阪で初めての無痛分娩をご検討の方はENAレディースクリニックへ

初めてのお産は誰しも不安なものです。当クリニックではそのような方の気持ちに寄り添い、24時間麻酔ができる体制を整えております。計画無痛分娩はもちろん、予定より早く自然陣痛が始まった場合や、夜中に破水した場合でも、産科医と麻酔を管理するスタッフが連携し対応いたします。

お産の進み具合が予測しづらい初産婦さまにも、落ち着いて出産に臨んでいただける環境づくりに努めております。

ご自身はもちろん、ご家族の方にも内容をしっかりと理解し、納得していただいた上で出産方法をお選びいただくためのサポートも行っております。無痛分娩について詳しく知りたい方、ご不安な点がある方は、ぜひ当クリニックの予約・相談ページよりお問い合わせください。

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